ニラ (ゆり科)

8月の暑い盛りの頃、周辺の民家か畑から飛んできた種が発芽したのか、上水堤の下草の中にニラの花を見かけた。ニラ臭というか独特の強烈な臭気に反して、白い花冠の小花を群がり咲かせている姿は、清楚で頼りなげであった。

つくづく観察してみると花冠は5ミリ前後で、十数個の花が花茎の先端で散状に房をなしている。

ホトトギスやヤブラン、ノカンゾウなどと同じユリ科の植物で、東アジア各地に自生し古くから栽培もされ、日本でも平安末期頃から盛んに栽培されるようになったそうだ。

古事記や日本書紀にも記述があり、万葉集には”久々美良”として登場し、この“みら”がなまって、“にら(韮)”となったという説もある。

ニラに含まれる硫化アリルはビタミンB1を体内に長く留めておく作用があるので、滋養強壮効果がある上にビタミンA、B2、C、カルシウム、カリウムなどの成分を豊富に含んでいる。

野菜の花にもきれいな花が多いが、ニラの花もそのベストテンにはいるのではないだろうか。8月から10月に開花する。

花 期
春 3〜5月 夏 6〜8月 秋 9〜11月 冬 12〜2月

     50音目次へ
Copyright (c) 2005-上水事典サイトの会