ニオイカントウ (きく科)

一年中で最も寒さの厳しい寒中に、上水沿いの植え込みの根元で見慣れぬ花が咲いていた。葉は蕗に似ているが毛深くワイルドだ。

その葉の間にうずくまるようにして、淡い紫色の小花が密集したシックな色合いの頭花が冬の陽射しを仰いでいた。

インターネット『草花質問掲示板』で問い合わせてみたら、“植物博士”のように詳しい方がおられるのですね。匂款冬と書いてニオイカントウとのこと。

款冬はフキのことで花はバニラに似た芳香を持ち、冬から早春かけてに開花するとのこと。地中海沿岸が原産地で日本には昭和初期に園芸植物として渡来したようだ。

ヨーロッパでは英国、ベルギー、オランダ、フランス、デンマークに帰化しおり、ウィンターヘリオトロープの名前で親しまれている。

出会った時はまだ蕾状態だったのか、残念ながらバニラに似た甘い香りは発散していなかったが、そのうち花茎も伸びて芳香を放つことだろう。楽しみがまた一つ増えた。

花 期
春 3〜5月 夏 6〜8月 秋 9〜11月 冬 12〜2月
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