ネズミモチ (もくせい科)

赤い実をほとんど見かけなかった今シーズンの冬だが、その名のようにネズミの糞そっくりのネズミモチ(鼠黐)の黒い実を見かけた。黐は糞を指すそうだ。

1センチ弱の楕円形の実が10〜20個まばらに房状になっているが、暗緑色の葉の間で目立たない。ネズミモチは樹高2〜3メートルになる常緑の小高木で、野鳥の媒介やこぼれ種から発芽したのか上水堤でも多く茂っている。発芽率は高く「庭木として植えた覚えがないのに生えてきた」という話もよく聞く。

初夏に白い小花を泡のように群がりつける花の径は4〜5ミリ。ロート状になった先が4つに分かれてそっくり返って、2本の雄しべが目立つ花は数多いだけに蜂や小さな昆虫が群がっていた。

中部地方以南の本州〜九州の主に太平洋岸に生育。イボタなど同属の樹種には落葉樹が多いが、ネズミモチは常緑。よく似た種に中国原産のトウネズミモチがある。

ネズミモチの葉は表から透かしてみると葉脈が透けて見えるが、裏面からは側脈は見えないのに対してトウネズミモチの葉は両面から葉脈が透けて見える。

花 期
春 3〜5月 夏 6〜8月 秋 9〜11月 冬 12〜2月

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