ナツミカン (みかん科)

小金井橋の上流30メートルほどの所に毎年、夏蜜柑が熟れてぶら下がっているのは以前から気がついていたが、手の届かない位置なので、花には気を止めなかった。

2007の5月半ば、試しに夏蜜柑の下枝を掻き分けてみたら、二つ三つ花を探し当てることができ,しかも甘い香りにつつまれてご機嫌になった。

ナツミカンはミカン科ミカン属の柑橘類の一種。江戸時代中期に山口県の仙崎(長門市)に漂着した果実の種子が夏みかんの起源され、原木は天然記念物に指定されているそうだ。

白い五弁の星型の花の径は3〜4センチ。雄蕊の葯がオレンジ色で、蜜柑やダイダイの花ともよく似ている。熟れて垂れ下がっている果実を見ていなかったら、見分けが難しいだろう。

果実は晩秋に色着くが、春先までは酸味が強すぎて長らくは生食されなかったが、初夏になると酸味が弱まることが判り、明治以降、夏に味わえる柑橘として価値が認められ広く栽培されるようになった。

夏に食べるので夏蜜柑。別名は夏柑またはナツダイダイ。近年は改良品種の甘夏がもっぱら市販されているが、マーマレードやオレンジピールには夏蜜柑の皮の方がボッテリ厚く砂糖煮には好適だと思う。

花 期
春 3〜5月 夏 6〜8月 秋 9〜11月 冬 12〜2月

     50音目次へ

Copyright (c) 2005-上水事典サイトの会