ナツトウダイ (とうだいぐさ科)

夏灯台の名がついているが、花が咲くのは春である。

風変わりな枝の出し方をする野草で、地下茎から紅紫色を帯びた緑色の直立した茎が50センチほどの高さとなる多年草だ。

直立した円柱形の茎の途中には細長い楕円形の葉が互生しており、茎の先端では5枚程の葉が輪生して、その中央から細い花枝を放射状に数本伸ばし、頭部に杯状の花序を多数つける。

花序の腺体は三日月形で紅紫色をしており、その先端はとがって火花みたいだ。

上水土手でナツトウダイの咲く姿が見られる桜橋付近の小草原では、アキノタムラソウやワレモコソウ等の新緑の中でも、この野草は長身の直立した姿勢と、先端だけがきわだった新緑の艶のあるつるつるした葉に囲まれて花を咲かせている。

栗の木の下で春の陽を浴びている異色な風情は、灯台を感じさせなくもないが、何故、その名に“夏”がつけられたのだろうか…。

花 期
春 3〜5月 夏 6〜8月 秋 9〜11月 冬 12〜2月
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