ナンテン (めぎ科)

すっかり冬姿になった上水堤は一年中で最も明るく感じられるシーズンだ。地に還ったり、野鳥の餌になって残り実も次第に少なくなってくる寒中の堤で、それまで目に止まらなかったナンテンの実が目にしみるほど赤い。

フェンスの内側では実生から育ったらしい小木が多いが、それなりに赤い実の房を輝かせている。

ナンテン(南天)には毒消しや不浄を清める作用があるとされ,古くから庭木として玄関や勝手口、手洗いの近くに植えてる家が多い。

その名は漢名の南天燭、南天竹を諸略したそうだが、難を福に転じる意味の難転、ことを成就させる意で成る天⇒成天の双方と語呂合わせしたとか。

メギ科常緑小低木で、6〜7月に枝先に円錐花序をなして白い小花を房咲きさせる。

日本では実を南天実と称して、そのアルカロイドの成分が知覚神経や運動神経の末梢をマヒさせる作用があるので、百日咳や喘息の咳止めとして利用されている。

ナンテンの木で作った南天箸は長寿や健康にいいとされ、葉は毒消しとして赤飯やおはぎなどのあしらいに使われてきた。

花 期
春 3〜5月 夏 6〜8月 秋 9〜11月 冬 12〜2月

      50音目次へ
Copyright (c) 2005-上水事典サイトの会