ミズヒキ (たで科)



草の葉に風は吹かねど なよなよと

  紅ゆるる水引のはな 土屋 文明

夏も後半になる項、上水堤で目立つのがミズヒキだ。むち状に伸びた多数の細い花軸に、点々と小さな可憐な赤い花をつける。

花は上から見ると赤く見え、下から見ると白く 見えるので紅白の水引に見立て命名されたのも頷ける。

上水での開花期は7月下旬から10月10日頃まで。日陰を好むので木々の葉が幾重にも重なり、日中でも薄暗く感じる土手で息長く咲き続けるようだ。

草茎に互生している楕円形の緑の葉は、紅白の花をより引き立てている。

花の一つをよく見ると、赤いのは萼片で、萼片4ケ、おしべ5本、めしべ1本とからなっていて花弁はない。

やがて小さな実を結び、完熟したミズヒキの在る所を通ると、それらの実がズボンの裾にびっしりと付着する。

ミズヒキの花柱の先は弓状に曲っていて、種を運んでもらうのに適している。子孫繁栄のための植物の知恵である。


花 期 
春 3〜5月 夏 6〜8月 秋 9〜11月 冬 12〜2月

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