ミゾソバ (たで科)



ミゾソバや 多摩の小流 こゝに又 高浜 虚子

葉の形が鉾形をしていて、牛の頭に似ていることから「ウシノヒタイ」の別名もあるという。

50センチ前後の草丈で、名のように溝の水辺や湿気の多い所に群生しており、10個内外集まって咲く花は、白に近いピンクから淡紅色までいろいろの色がある。

この花の萼は白、紅、緑ととりどりの色をし、花と一体となって一見金平糖のように見える。晩秋になってよく見ると萼に包まれて黒い色の実がついている。

その様子は大きさがおおよそ半分位ではあるが、食用にするソバの実に似ており、「溝蕎麦」という名に合点がいく。

かつては食用や薬用にかなり用いられたミゾソバ。上水の川底に近い日当たりの良い斜面や、新堀用水の水辺等で9〜10月一斉に咲いていたこの花も、ここ数年はめっきり減少してしまった。

四中付近の新堀用水の水際近くで、やっと見つけたが足場が悪く撮影にビクビク。


その付近に外来種のシャクチリソバが威勢よく花をつけており、今後の成り行きを観察していきたい。

花 期
春 3〜5月 夏 6〜8月 秋 9〜11月 冬 12〜2月

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