メヒシバ (いね科) 

日本全国の畑や路傍で夏から秋にかけて繁茂し、農地では厄介ものの雑草の代表格であるメヒシバ。上水堤でも下草の端っこや歩道部分で踏みつけられながらも、しっかり生育している。

あまりにもありふれているので見向きされないが、穂が立ち上がったばかりの頃に拡大鏡で覗いて見ると、数本が束になり、微細な花粉をつけていた。しばらくすると傘の骨のように放射状開き、花粉は落ちてしまっている。

和名の雌日芝は日照りに強く、同じイネ科のオヒシバ(雄日芝)に比べて穂が細くやさしいイメージであるところから名づけられた。オヒシバの方がより踏まれ強いそうだ。

同じ野草でもきれいな花をつけて珍重されるものもあれば、オヒシバやメヒシバのように厄介な存在もあり、抜かれても踏まれても生き延びているのは、野草間では共生関係があるのだろうか。

これら日芝に疎ましさよりも妬ましさを感ずるのは、こちらの老い先が短くなってきた証拠かもしれない。

花 期
春 3〜5月 夏 6〜8月 秋 9〜11月 冬 12〜2月

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