マルバハギ (まめ科) 



萩は萩 芒は芒 西日かな  久保田万太郎

上水堤でも日当たりのいい右岸に旧盆前後からマルバハギがほころび始める。久右衛門橋から鷹の橋にかけてはこんもり茂った萩が連なっている。

茂った葉の間から紅紫色の小さな花が頬寄せ合って咲いてるのを見ると、残暑は厳しくても秋の気配が…。

楕円形または倒卵形といわれる互生した葉の先が丸いのが丸葉萩の名前の由来。別名はミヤマハギ(深山萩)。

枝はしだれず、葉の脇より短い総状花序を出して蝶型の花を数個ずつ群がりつけ、初秋の風に揺らいでいる。花の径は1センチぐらいだが無数に咲いている姿は、萩の簾を見ているようだ。

野山でごく普通に見られ、寺社や庭園などでも古くから植生されているマルバハギだが、秋の七草の筆頭にあげられているのは同じ仲間のヤマハギだという。ヤマハギは基部につく葉よりも花序の柄が長いことで見分けられる。

花期は8月半ばから10月と長く、萩寺、萩供養、こぼれ萩、枯萩などと俳句の季語になり、短歌にも詠まれることが多い。

花 期
春 3〜5月 夏 6〜8月 秋 9〜11月 冬 12〜2月

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