ママコノシリヌグイ (たで科)

蔓となって延びる茎と葉に、するどい刺が逆方向を向いて一面に生えていて、春の新芽の頃は別として触れるとチクチク痛い。

しかし、小粒の金平糖のような蕾をつけているこの蔓草が、どうして継子の尻拭いという残酷な名前になっているのだろうかと、首をひねってしまう。

腹を痛めなかった継子が憎たらしいとて、この鋭い刺のある茎葉で幼い子のお尻をぬぐうと考えただけでもぞっとする。植物名の中で最も残酷な名前だそうだが、人の性の醜い一面を表徴しているのかも…。

名前はともあれ、茎にある刺は周囲にからみついて、生き伸びていく習性のなせる業であり、8月から10月にかけて直径3ミリ程の桃色から紅色の可愛らしい花を咲かせる。

秋に近づくと5ミリ前後の小さな実が紫や青、白などが入りまじって房になり、夕陽に映え、黄色に紅葉した葉と共に秋を彩っている。

このママコノシリヌグイの名前も知らなかった幼い項、この草の春の新葉の程よい酸っぱさに魅せられて、スイバと同じようによく口に含んだものだった。

花 期
春 3〜5月 夏 6〜8月 秋 9〜11月 冬 12〜2月

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