クサノオウ (けし科)

5月半ば頃から直径2センチ前後の4弁の黄色の花をつけるクサノオウ(瘡の王)は、同じ頃にキンポウゲやタンポポ、オヘビイチゴなど黄色の花がを咲くにもかかわらず、かなり人目を引く野草である。

全体がやわらかく粉白色を帯び、傷つけると黄色の汁が出る。茎は中空で、高さ30〜80cmになる。羽状に深く切れ込んでいる葉は互生して葉と茎、蕾には産毛がある。

子供の項、この草や、同属であるタケニクサの葉や茎を手折ると黄褐色の汁が出るので、手や足の筋肉の痛い部分に塗ったり、足を軽くするなど、ヨードチンキと同じように考えていたことがあったが、かぶれて炎症をおこすと後で知った。

ヤイトのように肌が荒れることから、地方により、この野草は、タムシグサ、ヤイトバナ等と呼ばれている。

瘡(くさ)とは丹毒(たんどく)のこと。それを治す薬草であるということからこの名前が付いたという。

胃の痛みによいということで煎じて飲む人もいるが、多量に用いると嘔吐や下痢、手足のしびれなどの中毒症状も現れる。

花 期
春 3〜5月 夏 6〜8月 秋 9〜11月 冬 12〜2月

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