クサギ (くまつづら科)

盛夏にピンクの袱紗包みのような小さな蕾と白い花が寄り集まっている低木を里山や雑木林でよく見かけるのだが、名前は知らなかった。
野草や樹木の名前を知っていると近親感が湧き、よく目に入るものだ。

最近、ポケット植物図鑑を持ち歩くようになって少し改善したが、“植物音痴”も甚だしい私には、目の前の花と図鑑で一致する花を探し出すのも一苦労である。

その点、このクサギの花は特徴があり判別しやすかった。葉も図鑑通り三角おむすびのような形状をしている。

日本全国に見られ、高させいぜい3〜4メートルほどの落葉樹で、クサギの名前は葉をもむと独特の臭気が漂うのでズバリ『臭木』。葉をちぎって匂いを嗅いで見たらたちどころに納得した。名前が憶えやすい。

しかし、葉の悪臭に反して花はユリに似た香りを放って芳しい。

ピンクの萼に包まれた蕾と5弁の白い花の集まりは華やかで目立つが、秋に果実が熟するとピンクの萼は色濃く鮮やかになり、ブルーブラックの実とのコントラストは造形的にも色彩的にも面白い。
花 期
春 3〜5月 夏 6〜8月 秋 9〜11月 冬 12〜2月

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