クロマツ (まつ科) | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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松の花に満つる松籟吾娘遠し 中村草田男 |
上水堤を歩くたびに驚きに出会うが、新小川橋付近で松の若木に花らしいものを見かけた時は、言葉にならないくらい感動してしまった。 秋には松ぼっくりが落ちているのだから、花が咲くのは当然だが、これまで松の花に出会うとは考えもしなかった。目の届かない高い位置に咲くだろうから…。 その若木丈は40〜50センチ。地面に近い所で葉をパラボラアンテナ状に広げ、その中心部から円柱みたいな花筒を30〜40センチも伸ばして、先端に松ぼっくりのミニチュアそっくりの雌花を三個つけていた。雌花の大きさは大豆くらいで赤紫色をして可愛い。 図鑑によるとクロマツ(黒松)の花で、下部に雄花が鱗みたいに重なり円柱を形成している。 アカマツと並んで本州・四国・九州・沖縄の各地に生育する二葉松の代表格で、日本の風景には欠かせない常緑樹。樹肌が黒っぽく葉の色や堅さが男性的であることから雄松とも。 門松しかり、新春行事には松竹梅のセットが欠かせないほど暮らしと結びついている松だが、上水堤の雑木林の中では異色。松枯れ病で近隣からも少なくなっている。 |
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