クヌギ (ぶな科) | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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くぬぎ原さゝやく如く木の芽かな 虚子 冬座敷くぬぎ林の中にあり 大峯あきら |
秋の雑木林のアイドルは何と言っても、どんぐりだ。上水堤でも秋口になるとどんぐりがコロコロと転がって、ことにクヌギのどんぐりは直径2センチくらいと大きく丸っこくて愛らしい。 しかし、花の時期を見過ごしてきた。今春やっとクヌギの花の思春期に出くわした。イヌシデより繊細な雄花穂をたわわに垂らし圧巻だ。 花穂の長さは10センチ前後もあろうか。周囲の新緑に溶け込んで目立たないが、惚れ惚れするような景観だ。 雑木林の中でもクヌギは樹高は15〜20メートルになり、ケヤキやエノキと並ぶ落葉高木で、 樹皮は暗い灰褐色で厚いコルク状になり縦に深い割れ目が刻まれているのが特徴だ。長楕円形の葉の周囲は鋸歯があり葉脈もはっきりしている。 雄大に垂れている雄花穂は小さな花を紐状につけ、雌花は葉の付け根についているそうだが極小で、高い位置にあって肉眼では見ることができなかった。風媒花で雌花が受粉し成熟してどんぐりになる。 クヌギにはカブトムシやクワガタなどの甲冑類、蝶やオオマユガなどが樹液を求めて集まってくる。成長が早く植林から10年ほどで木材として利用でき、切り株から萌芽更新するため古くから薪炭材として利用され、椎茸栽培の榾木(ほだぎ)に、落ち葉は堆肥にと…屋敷森や里山の主役的な役割を果たしてきた。どんぐりよ健在なれ! |
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