コナラ (ぶな科)

  イヌシデに続いてクヌギの花穂が落下し始める頃、同じく高木の樹間に黄緑色の花穂を下げ始めた樹木が目に付いた。幸いなことに幹に「コナラ」と書かれた札が付けられていた。

頭上4〜5メートルの高さで紐状の花穂を下げているので、肉眼では確かめにくい。クヌギの花穂よりほっそりとして穂の長さも短めで5センチぐらい。紐状の花穂は雄花穂で、雌花は新枝の上部の葉につくそうだ。

コナラはブナ科の落葉高木で雑木林の代表的な樹種。秋になるとコナラのどんぐりが上水堤を敷き詰めるほど落下しているが、花に気がついたのは初めてだった。どんぐりの量からすると雌花もどっさりついている違いない。

ブナ科の高木の花はいずれも丸っこいどんぐりからは想像できない姿をしており、新緑に紛れて目につきにくいが美しい。

材は薪炭の原料や椎茸栽培の原木として利用されるため、屋敷林でもよく見かける。コナラの実は東北地方ではミズナラのどんぐりと並んで貴重な食料でもあった。大楢の別名のあるミズナラに比べて小型であることから、小楢と称されるが貫禄のある木も。

 
花 期
春 3〜5月 夏 6〜8月 秋 9〜11月 冬 12〜2月

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