キツネノカミソリ (ひがんばな科)

春早い季節に、水仙の葉に似た緑濃い数枚の葉が出始め、初夏の頃いつのまにか枯れて消え去ってしまう。

夏の盛に葉の消え去ったあたりから花が30p前後伸び、その先端に3〜6個の橙赤色の花を散形状に咲かせる。

花の形はノカンゾウに似ているが6個の花被片は開き方がノカンゾウより鋭角で、雄しべの長さは花被片より短く花の外には出ない。雌しべは1本で花弁よりやや長い。

花が咲いているときは葉がないのでどことなくすっきりした姿で目に映り、花の色ハッとするほど目立って、盛夏の上水土手の風情を豊かにしている。自生野草観察ゾーンで年々増えているのは嬉しい。

キツネノカミソリ(狐の剃刀)の名前の由来は、花の姿がキツネのとがった口の形に似ていること、葉の形が剃刀をイメージさせるからと言われている。

ヒガンバナと同じように鱗茎を石蒜(セキサン)と称して催吐、去痰薬に用いられる。

花 期
春 3〜5月 夏 6〜8月 秋 9〜11月 冬 12〜2月

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