キンモクセイ (もくせい科)

10月半ばにさしかかると、何処からともなく甘い香りが漂って来てその在り処を知らせてくれるキンモクセイ(金木犀)。

残念ながら上水堤の域内ではまだ見かけてないが、隣接した民家や道路の植栽から漂って来て、見上げると金色というより朱色の小花がこぼれそうに群がっている。

キンモクセイは中国南部の桂林地方原産のモクセイ科の常緑小高木で、中国語では”桂”は木犀のことを指し、『桂林』の地名もこのモクセイの木がたくさんあることに由来するとか。江戸時代初期に渡来して主に庭木として愛されてきた。

白い花をつける銀木犀が本種で金色の方は変種という説もあるが、付近で見かけるのは華やかで芳香の強い金木犀が圧倒的に多い。

どちらも雌雄異株で何故か日本には雌株しかなく、樹腋から短い花柄を伸ばした先に4弁の雌花を付けている。その径は5〜8ミリで、雌しべが2つずつ。花びらも雌しべもぼってりしている。

雌株しかないので実生による繁殖がなく、上水堤で金木犀がみられないのだろう。挿し木接木でも若木のうちは花をつけにくく、また空気が汚染しても花を咲かせないという。身近な樹木としてリストに。

花 期
春 3〜5月 夏 6〜8月 秋 9〜11月 冬 12〜2月

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