ケヤキ (欅=にれ科)



玉川上水堤の木立の中でも最も多く目立つのはケヤキだろう。昭和40年3月、淀橋浄水場の閉鎖に伴い導水路としての役割を終え、水を絶たれた小平監視所から下流では、“清流復活”まで約20年間に水路際や水路の中にまで根を張って、大木化し水路管理の上からは厄介な存在にもなっている。

箒状に枝を張った樹形は見事で、新緑の美しさは目が眩むばかりだが、何しろ高木過ぎて、その花を目にすることは諦めていた。ところが、喜平橋下流右岸で下枝が目の高さくらいに垂れ下がっており、芽吹き始めた葉の付け根に極小の粒々を付けていた。

もしかして、この粒々が花かしら?風に揺らされてカメラに収めるのに骨折ったが、図鑑で調べるとケヤキは芽吹きと同時に開花(4月初め)するそうだ。地味で目立たない上に、日一日葉が大きくなり茂ってくるので、樹木図鑑にも花の写真を紹介して例は少ないが、雌雄同株で新しい枝の基部に雄花が、先端に雌花が付くという。開花から1〜2週間後にケヤキの大木の根元に顆粒状の落花が散乱しているのを、気づいた人がいるだろうか?

ニレ科落葉高木で材は木目が美しく、狂いも少ないので家具材・楽器・器具材に広く利用され、武蔵野の屋敷森を代表する樹木。
花 期
春 3〜5月 夏 6〜8月 秋 9〜11月 冬 12〜2月

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