カワラナデシコ (なでしこ科) | |||||||||||||||||||||||||||||||||
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撫子や吾子にちいさき友だち出来 加倉井秋 |
残暑も峠を越した上水堤で、丈なす下草の間に爽やかなピンクの一輪。5枚の花弁の切れ込みがヒラヒラと軽やかで、涼風を感じさせてくれたのはカワラナデシコ(川原撫子)だった。 秋の七草の1つである撫子は本種のことを指すそうで“河原”をつけても別種ではなく、別名はナデシコ又はヤマトナデシコ。 可憐でしとやかなイメージから、かつて日本女性を大和撫子と美称した時代が遠い昔に感じる昨今だが、折しも北京五輪で全日本女子サッカーチーム『ナデシコジャパン』が善戦中だった。 カワラナデシコは本州以西四国、九州に広く分布するほか、沖縄諸島の久米島・渡名喜島に少数が生息する。主に日当たりの良い草原や河原に見られる多年草で、草丈は30〜50センチ。根から叢生して節が膨らみ対生した4〜7センチの被針形の葉と茎は粉白色をおびた緑色。 花径は3センチ前後で、雄蕊は10本、雌蕊は花柱2本。淡紅色が一般的だが、白色も。 自生地の開発や園芸用の採集、動物による食害、外来種の影響等で減少している地域もあり、多摩川べりではカワラナデシコの増殖に取り組んでいる。上水堤では極くまれに見かける程度なのが寂しい。 |
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