カタクリ (ゆり科) | |||||||||||||||||||||||||||||
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片栗の花の紫うすかりき 高濱虚子 |
まさかカタクリが!春分の日前後から開花するとは聞いていたが、上水堤でカタクリの花に出会うとは想定外だっただけに、感激はひとしお。 広葉樹林の林床に自生する多年草のカタクリは、武蔵野に雑木林が広がっていた時代には恐らく片栗粉が取れるほど群生していたのではないだろうか。万葉集には古語の堅香子として登場し、万葉を代表する花でもある。 乱伐と盗掘、そして針葉樹の植林によって棲家を失ったカタクリだが、近年は保存の動きも高まっているようだ。 枯葉の間から瑞々しい緑の葉が二枚、その中央から15センチほど立ち上がった茎の先端に俯いて咲いている薄紫の花は、4センチあまり。内側と外側に3枚の花弁があり、開花すると外側にそっくり返るのが特徴で、つつましい美しさに時の経つのも忘れてしまう。 地中深いところにある鱗茎から葉が一枚出た後、7〜8年かかって二枚目の葉が出揃い花をつけると聞いている。丁度春彼岸頃の日射と温度が開花に適し、雑木林が葉を茂らす頃にカタクリの葉も解けるように姿を消して翌春まで休眠するそうだ。 そのためスプリングエフェメラル(春のはかない命)だと。 |
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