カラスビシャク (さといも科) | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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日本全土の畑などに普通に生える多年草であったが、玉川上水堤ではもう消えてしまったと思われていたカラスビシャクが、意外な場所で生息していた。 桜橋下流左岸と茜屋橋下流の一角に、ひと群れが細長い茎先に、仏炎苞と呼ばれるサトイモ科の花特有の筒状の総苞を立てていた。 細く繊細な総苞は周囲の草葉の色と同系色で、よほど目ざとい人でないと、見つけられないだろう。だから生き延びているのかも…。 草丈は40〜50センチ、仏炎苞の長さは15センチ前後、その苞にくるまれている黒い筒が肉穂花序で、花序の中ほどまでは雌花群を形成し、その上部に雄花群が密生しているそうだ。肉穂花序が黒く柄杓のように柄が長く見えることから、烏柄杓の名前が付けられたという。 地下の球茎は漢方でハンゲ(半夏)と呼ばれ、健胃消化、鎮吐薬、鎮咳、去痰など数多くの漢方薬に処方されている。夏至から11日目(7月2日頃)を暦の上でハンゲと称し、この時期にカラスビシャクが生じるので別名はハンゲ。ドクダミ科の多年草にもハンゲショウ(半夏生)があるので、頭が混乱しそうだ。 葉柄の下部の方や小葉の付け根にムカゴ(珠芽)ができ、それによっても増えていくので、かつては畑地のやっかいな雑草となっていた。 |
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