カンツバキ (つばき科)



冬椿 落ちてそこより 畦となる  水原秋櫻子

小金井橋上流左岸にほどよい枝ぶりのカンツバキがある。

目の前の海岸寺か周辺の旧家、あるいは小金井公園から野鳥たちによって 媒介されたのではないかと推測しているのだが…。

ルーツはともかく、初冬から春先にかけて次々に紅梅色の花を愉しませてくれる。

サザンカ(山茶花)とは葉も花も開花時期もほぼ同じで、見分けがつきにくいが、元々カンツバキはサザンカの園芸品種と考えられており、寒椿と称しながらサザンカと同じように花びらが一枚ずつ散り落ちる。

椿の方は花びらが付け根で合わさっているので、花ごとポトリと落ちるのがサザンカとの一般的な見分け方だと言われている。

この寒椿は冬枯れの堤で色鮮やかな花を見せてくれる寒灯りのような存在だ。根元に散り敷いている花びらのカーペットも華やかで、しばし足を止めてしまう。

カンツバキ付近の堤はアオキをはじめ夏蜜柑など庭木に多い樹種が目立つ。

冬を代表する花ですが、現在は早春のリストに収めてあります。
花 期
春 3〜5月 夏 6〜8月 秋 9〜11月 冬 12〜2月
      50音目次へ
Copyright (c) 2005-上水事典サイトの会