カンスゲ (かやつりぐさ科)

小松橋から上流にかけて新堀用水際に、纏に似た小さな穂を立てている草株が目に付いた。剣先のような細い葉が反り返って密生しており、その根元から幾本もの小穂が伸びている。

冬でも青々とした艶のある葉を茂らせているので、カンスゲ(寒菅)と呼ばれている。

山地の樹下に生える多年草で春先に花茎を伸ばし、先端のヒラヒラした薄黄緑の穂が雄小穂で、その下部の褐色あるいは黄褐色部分が雌小穂だという。雌小穂は3センチぐらいの長さである。

大きな株では10〜20本もの小穂を翻しており、纏祭りのような趣だ。巧妙にできているなあと感心してしまう。

同じカヤツリグサ科で林地の樹下に株を作るオクノカンスゲ、ミヤマカンスゲがあって判別が難しいが、葉の幅は4〜7ミリ、その断面はゆるやかなV字型あるいは凹型で、三脈が認められない点と硬くて光沢がある点が両者とカンスゲの相違点とのこと。

ただ歩いているだけでは目に入らなかったが、足元に注意して歩くようになってから様々な野草に出会うようになった。その面白さにはまりそう。

花 期
春 3〜5月 夏 6〜8月 秋 9〜11月 冬 12〜2月
     50音目次へ

Copyright (c) 2005-上水事典サイトの会