カジイチゴ (ばら科)

細かな襞の入った純白の花弁が重なり、繊細な工芸細工のような花芯部と調和した花の径は3センチ前後。

4月末頃、小金井橋付近で鋭い鋸歯に縁取られた掌状の葉の所々で咲いていた。清楚だが野趣に富んで、野薔薇の一種かしら…。葉はモミジイチゴやニガイチゴなどの木苺の仲間に見えた。

花や葉を一瞥しただけでは判別がつかない“植物音痴”の悲しさで、このカジイチゴも後々になって確かめることができた。

カジイチゴは関東以西の本州太平洋岸から四国・九州の海岸などに生育する落葉低木で、5月から6月にかけて橙色に熟す実が美味しいので庭先などにも植栽されている。

大人の背丈ほどの高さになり、上部は分岐して枝葉を茂らせるが、モミジイチゴやニガイチゴのように枝や葉柄に棘はない。葉は大型で5〜7枚に深裂して、その縁は粗い目立て鋸の歯のようだ。

葉の形がカジノキ(梶の木)に似ていることから構苺と書いてカジイチゴと名称されたそうだが、古来から神に捧げる木とされ、複雑な切れ込み形をしているカジノキの葉と実際には似ていないように思うのだが…。

花 期
春 3〜5月 夏 6〜8月 秋 9〜11月 冬 12〜2月

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