イヌタデ (たで科)



門前に 舟つなぎたり たでの花  高浜 虚子

辞書いわく=蓼食う虫も好きずき・・・(辛いタデを好んで食べる虫があるように人の好き嫌いは様々である)

タデの中で辛味のあるヤナギタデだけが刺身のつまなどとして食用に用いられ、葉に辛味の無いイヌタデは利用価値がないので軽蔑されてきた。

軽蔑されているこのイヌタデの花も、私達にとっては6月頃から10月項にかけて、上水土手の野草の一種として野趣をもり立ててくれる。

上水土手に限らず路傍や空き地などにも生えており、一般にはアカマンマと呼ばれて親しまれてきた。その呼び名は赤紫色の粒状の花が米粒に似ているからであろう。

少し赤味をおび節ごとに太くなり、高さ20センチ位の茎の上部で枝分かれした先々に、紅紫のまだらな花穂をこじんまりつけてかわいい花である。

たで科の植物は北半球温帯を中心に約800種あり、イタドリやソバ、藍染めに用いられるアイ、ギシギシもタデの仲間である。


花 期
春 3〜5月 夏 6〜8月 秋 9〜11月 冬 12〜2月

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