イヌゴマ (しそ科)

新緑が夏の季節へ移る項、繁っている野草の中から、50〜70pの草丈となる茎が抜きんでて、数段にわたって茎に淡紅色のゴマの花そっくりの花が咲きはじめ、あたりに爽やかな風情をかもし出す。

上水土手でこの野草の住んでいる場所は、数ヶ所となってしまったが、ここ数年増える傾向にあって嬉しい限りだ。

草茎はしそ科に属する植物に共通して四錘形の茎で、よく見るとその茎の稜の部分に一列に下向きかげんに、花柄が並んでついており、指でそっとさわるとざらついている。

イヌゴマの名は花と果実の形がゴマに似ているが、利用価値がないことに由来するようだ。イヌザンショ、イヌタデ、イヌビエ、イヌホウズキ…など、イヌ○○とつく野草はほぼ同様で犬には気の毒であるが…。

こんなイヌゴマの花には、どこで生まれ育ってきたのか、この頃では珍らしくなった体のかぼそいイトトンボが、羽根を休めているのを見かけることが時折りあり、イヌゴマへのヤブニラミとも思いながら、眺めるのは心休まる。

花 期
春 3〜5月 夏 6〜8月 秋 9〜11月 冬 12〜2月

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