フユノハナワラビ (はなやすり科)

草木が冬支度を始めた上水堤を歩いていると、久右衛門橋下流左岸で卵黄色の穂を伸ばしている植物に出会った。

近づいて見ると花穂に見えたのはフユノハナワラビ(冬花蕨)の胞子葉であった。

この付近一帯の左岸は『小平市玉川上水を守る会』の有志が中心になって、下草狩りと間伐が行われたばかりで、晩秋の木漏れ日が柔らかく降り注いでいた。

恐らく、その効果で姿を現したのだろう。フユノハナワラビは日本全国に分布するシダ植物で、日当たりのよい草地に初冬にワラビに似た新葉『栄養葉)を出し、花のように見える胞子葉を開くので、その名で呼ばれる。

粟粒が寄り集まったような胞子葉をそっと手で触れてみると、白い煙が立ち昇るのがほのかに見えた。胞子を飛散させているのだろう。

生育期間は晩秋から春までで、夏は地上部が枯死して休眠する。同じハナヤスリ科に、夏に胞子葉を開くナツノハナワラビという種類もある。

花 期
春 3〜5月 夏 6〜8月 秋 9〜11月 冬 12〜2月

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