フウセンカズラ (むくろじ科)

その昔、宣教師たちによって日本でも教会やクリスチャン系の学校で栽培され始めたと聞いていた北米南部原産のフウセンカズラ。

昨今では民家の庭先や生垣に細い蔓を伸ばして、初夏に白い小さな花をつけて、やがて黄緑色の風船状の朔果が見る見る膨らんでくるのをよく目にする。花の径は3〜5ミリ。

風船のような実をつける蔓性の一年草であることから風船蔓と命名され、花を観賞するというよりは、蔓にぶら下がった風船に似た実の色が涼しげで、ユラユラ揺れている姿が目を楽しませてくれる。切れ込みの深い3出葉の葉も爽やかだ。

きっと上水堤にも進出してくるだろうと気をつけていたら、喜平橋と茜屋橋付近で見かけるようになった。園芸種が野生化している例は次第に増えており、このまま放置しておいていいものかどうか・・植物には境界のルールもないから再び野に帰るのも自然か。

表皮が褐色になってきた風船を破いて見ると、中に正露丸くらいの黒い種子が3個、それぞれに白いハートのマークをつけ、猿の顔にも見えて面白い。朔果が半透明の膜で3室に別れ、膜に付着している部分がハートを形成するそうだ。

花 期
春 3〜5月 夏 6〜8月 秋 9〜11月 冬 12〜2月

     50音目次へ

Copyright (c) 2005-上水事典サイトの会