フクジュソウ (きんぽうげ科)



日のあたる窓の硝子や福寿草   永井 荷風

ひと雨ごとに梅が膨らんで春が感じられる三月の初め、上水に隣接した『どんぐり広場』の落ち葉の間から、フクジュソウが一輪満面笑みをたたえるかのように開花していた。

同広場は道路予定地だそうだが、小平市が借りてグリーンロード推進協議会参加団体が上水やグリーンロードの野草や樹木の保護育成のための圃場として使われている。

その一角で一輪のフクジュソウが黄金色に輝いて見えた。草丈は7〜8センチぐらい、羽状に細かく刻まれた葉も少し覗いていた。花の後で葉は伸びてくるそうだ。

中国東北部アムール川流域の原産で旧暦の新春に開花することから、めでたい「福」と「寿」の字をあてがわれ、元日草とも呼ばれる。

学名Adonis  amurensisのアドニスはギリシャ神話に登場するイノシシの牙に突かれて死んだ青年の名前に由来。傷から出た血のように赤い花にたとえられ、欧州産は黄色ではなく赤い花だそう。

元来は落葉樹林の下などに生える多年草だが、道路造成や宅地化で減少の一途で環境庁のレッドデータブックでは絶滅危惧2類にランクされている。

花 期
春 3〜5月 夏 6〜8月 秋 9〜11月 冬 12〜2月
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