フキ (きく科) | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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蕗の薹おもひおもひの夕汽笛 中村汀女 |
春一番に土を分けて頭を覗かせる蕗の薹(トウ)は、フキの花の蕾だ。 薹の頃には目につかなくて残念だったが、3月に入った上水堤で小菊の蕾状の花がポッポと柔らかい土の上で仰向いてくるようになると、「こんな所にフキが!」と存在感を。 フキ(蕗)は数少ない日本原産の野菜の一つだそうで、平安の昔から栽培され特有の風味が賞味されてきた。薹はもちろん、ほぼ円形に近い葉も食べられるが、その葉柄の歯ざわりは応えられない。湯がいて強いアクを取り、ほろ苦さが残るくらいが旨い。野蕗とも呼ばれる自生種は全国的に分布しており、葉柄は細いがより野生的な味が楽しめる。 名前の由来は冬葱(ふゆき)または冬黄(ふゆき)で、 冬に出る浅葱色の植物または冬に黄色い花が咲くという意味から。 キク科の花の蕾状のフキの花は雌雄異株で、白いのが雌株で黄色いのは雄株とのこと。花笠みたいに花を群がりつけて愛らしいが、茎丈が伸びるにつれてちょっと間抜けした姿になる。 フキの学名Petasites japonicus Petasitesは日本産つば広の帽子が語源で、大きな葉は小雨程度の雨よけにも。 |
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