フジバカマ (きく科)



寄りせし人のかたみか藤袴  わすられがたき
香に匂ひつつ    紀 貫之

秋の七草の1つフジバカマは、古い時代に中国からもたらされた帰化植物であるという。

各地で栽培されているが、里地の植物として減少しつつあり、保護の対象にされている地域が多いそうだ。

自然状態における生育地としては湿った場所を好み、上水堤でも新堀用水の淵にミゾソバと隣り合って咲いていた。木の下暗がりで淡い紫の花房は落ち着きと気品に満ちていた。

草丈は70〜80センチ前後、栽培種は8月から9月にかけて花を咲かせるが、上水堤では10月に入って開花。

葉は3つに裂れて
いるのが普通であるとされるが、特に下部の葉は分裂しないことも多いという。

葉は対生し、短くても明らかな葉柄がある。花がそっくりなサワヒヨドリも葉が3裂することもあるが、サワヒヨドリは葉柄がないことによって区別できる。

乾燥させたものは利尿・通経・黄疸に効果があるとされる。

花 期
春 3〜5月 夏 6〜8月 秋 9〜11月 冬 12〜2月

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