フジ (まめ科) | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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ワウォ〜!フジの花だ!一位橋を少し下った辺りで遥か高い位置だったが、フジの花房が揺れていた。萌える青葉のスクリーンに浮かぶフジの房は、藤棚に仕立てられたフジよりも気品が感じられ、足が止ってしまった。 周囲の木々をよじ登り、4〜5メートルの高さから藤色の濃淡の花穂を長く垂らしている。房の長さが50センチ前後あるから、一般的に藤と呼ばれるノダフジだろう。もう一種の野性種のヤマフジは房丈が20〜30センチと聞いている。 マメ科のつる性落葉樹のフジは日本の特産種で、野生種は日本各地の山野に自生し、その優美な花穂は古来から愛されて万葉集にも数多く詠まれ、『枕草子』には「藤の花、しない長く、色よく咲きたる…」と。 花の一つ一つはハギやエニシダなどマメ科樹木と同様に蝶型をしており、花径は2〜3センチ。内側の花弁が紫色で外側の旗弁は色淡く、その濃淡も魅力的だ。 ノダフジは蔓が右巻きでヤマフジは左巻きが両種の決定的な違いだそうだが、上水堤の込み入った樹木林の中では確かめにくかった。フジの蔓はとても強力で古墳時代の石棺も藤蔓でくくりつけて木橇で運んだとも。籠や道具の柄など多用されている。 |
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