ホトケノザ (しそ科)



日の先にあそぶ雀や仏の座  本土みよ治 

まだ春は名のみのシーズンに、オオイヌノフグリと競い合って開花するのがホトケノザ。上水堤でも日当たりのいい右岸に、2月初旬頃から仏像の台座に喩えられる頂上葉の脇から花を立ち上げた。

ギザギザに縁取られた扇状の葉の脇から覗かせている紅紫色の唇弁花は、潜望鏡を立てて風向きや陽射しを窺がっているようでユーモラスでもある。

本州から沖縄まで広く分布し道端や土手、畦道などに生育している春の代表的な雑草の類だが、春の七草に数え上げられているホトケノザは、キク科のコオニタビラコ(小鬼田平子)だ。

そのタンポポに似た葉を仏の台座に見立ててホトケノザと称していたのが、いつの間にかその名前が現在のホトケノザに取って代わられてしまったそうで、真相は不明とのこと。

牧野富太郎博士説によると現ホトケノザはまずい物の代表格で毒草説もあるという。姿から見ると現ホトケノザの方が名前に似つかわしい。

草丈は15センチぐらいで、葉の直径は1〜2センチ。花の長さも5ミリ前後とミニサイズだが、上唇にはグラデーション、下唇には細かいドットがあり凝っている。

花 期
春 3〜5月 夏 6〜8月 秋 9〜11月 冬 12〜2月
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