ホタルブクロ (ききょう科)



雨上がる 蛍袋の 地に触れて  嶋田 義久

淡紅紫色の吊り鐘形の花が小雨に濡れて咲いている姿を見ると、梅雨のうっとうしさも忘れ清々しい気分に変わる。

子供達がこの花の中にホタルを入れることからこの名前がつけられたと言われる。上水の上手で見られる長さ4センチ前後の袋のような花の色は薄い赤紫色が多い。

茎の上部の幾本かに枝分かれした枝の先端に咲く袋花は、花口が短く5裂して少しそり返っている。

それにつけても、この花の名の謂われのようにホタルブクロの花とともに、上水でもかつてのようにホタルが乱れ飛んでほしい。

子供達がホタルを入れて歩くならば、この袋花が手折られることがあっても、ほほえましく笑って楽しく見ていられると思う。

西武多摩湖線に沿った玉川上水近くの線路際に、ホタルブクロの群落が見られるが、丁度美しく咲き揃った項や、咲き初めの項に線路の草刈りが行なわれ、美しい花の姿を楽しめず毎年残念に思っている。

花 期
春 3〜5月 夏 6〜8月 秋 9〜11月 冬 12〜2月

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