ホナガイヌビユ (ひゆ科)

ユウガギク(柚香菊)やノコンギク(野紺菊)が優しく乱れ咲くようになってきた上水堤で、弁慶が仁王立ちするように立ちはだかっている野草に出会った。

初秋の頃からその花穂が気にかかっていたが、見栄えが悪くてカメラを向ける気にならなかった。でも名前くらい確認しておこうと検索したところ、ホナガイヌビユらしい。

古い時代に大陸から渡来して食用とされてきたヒユ(莧)に似ているが用途のないイヌビユの仲間で、穂が長く菱形をした葉先にへこみのないのが特徴で、アメリカ原産の一年草。

明治以前に渡来したそうだが、昭和初期までは少なかったのに今や全国各地にのさばって、除草に手を焼く一種。草丈は場所によっては1メートル近くにもなり、枝分かれした茎先にも花穂を伸ばして、ぎっしり小花をつけている。その猛々しい穂を見るだけで繁殖力のすさまじさが…。小花には花びらがなく、萼が3枚に分かれているそうだ。色は緑色から紫褐色をおびるものも。

ケイトウ(鶏頭)や葉鶏頭、イノコヅチ、1粒が10万粒にもなり荒地でも育つという南米原産のアマランサスも仲間だ。このホナガイヌビユもアマランサス同様に飢饉作物として利用できれば・・・と余計なことを考えてしまった。花期は8~11月。

花 期
春 3~5月 夏 6~8月 秋 9~11月 冬 12~2月
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