ヒヨドリジョウゴ (なす科)

真夏日でも上水の樹林の中に入ると天然クーラーが効いているかのように一息つける。

そんな真夏日のある日、クヌギの根元付近の下草にからまっている不思議な姿の白い小花が目に付いた。

手持ちの図鑑で調べてみると、ヒヨドリジョウゴ(鵯上戸)であった。たしかに鳥が飛んでいる姿に見えなくもない。赤いつややかな実はハイキングで見かけたことがあったが、花を見るのは初めてだ。

つる性の多年草で,5つに裂けた白い花弁は反り返り,雄しべが細長い雌しべの回りをガードするように取り囲んで、臙脂色の雌しべの葯がひときわ鮮やかだ。

変わった名前の由来は、ヒヨドリが好んでこの実を食べることからだそうだが、実にはソラニンという神経毒を含んでいるので、食い意地がはっているヒヨドリでも食べることはないらしい。

実は有毒だが、茎葉には薬効があり、中国では解毒、解熱、利尿などの生薬として用いられている。全草に柔らかな繊毛があり、絡まって育つのに便利になっている。

花 期
春 3〜5月 夏 6〜8月 秋 9〜11月 冬 12〜2月

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