ヒトツバタゴ (もくせい科)

小川橋下流に“なんじゃもんじゃ”の木と呼ばれるヒトツバタゴの高木がある。「雪のように白い花」という学名通り、木全体に雪が降り積もったように咲く。

枝先に長さ5〜8cmの円錐花序を作って、4枚に深く炸裂した白い花冠は幅1.5センチ、長さ4〜5センチでほっそりとしたプロペラ状。繊細でヒラヒラと軽やかである。

モクセイ科の落葉高木で日本では長崎県対馬北端、岐阜県木曽川周辺、愛知県の一部に自生する珍しい木だが、その花の見事さからか全国的に植栽されるようになり、見慣れない木であるゆえ、「あの木はなんじゃ?」「…そんなもんじゃろ」ということで、“なんじゃもんじゃ”の木として別名が広まったらしい。

地域的にクスノキや、アブラチャン、小平周辺ではイヌザクラも“なんじゃもんじゃ”の木と呼ばれている。

ヒトツバタゴの名称は江戸末期に尾張の植物学者・水谷豊文がトネリコに似た木を発見して、トネリコは複葉であるが、この木は托葉のない単葉であったのでヒトツバタゴ(一つ葉田子)と命名した。

タゴはトネリコの別称で、同じモクセイ科のトネリコは野球のバットやスキーの板材などに使われている。
その果実は楕円形て長さ8ミリぐらい,黒く熟する。

花 期
春 3〜5月 夏 6〜8月 秋 9〜11月 冬 12〜2月

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