ヒサカキ (つばき科)

晩秋から正月過ぎにかけて正露丸のような黒い実をびっしり付けた樹木を上水堤で時折り目にした。

実の直径は5ミリ前後でグロテスクなくらいびっしり付いているのを、周辺の庭木でも見かけた。3月初め頃にその木に白い粒々が付き、徐々に膨らんで蕾らしき姿になってヒサカキだと分かった。

ヒサカキは照葉樹林帯では広く分布する低木または亜高木の常緑樹だそうで乾燥にも強く、早春の花の少ない頃に開花して虫によって効率的な花粉媒介を行い、冬の果実の少ない頃に野鳥により種子を散布するので生育範囲が大変広い。

サカキに似ている全体が小さいので姫榊、それが訛ってヒサカキという説と榊に似ているが榊でないという意味の『非ず』説がある。

花径も5ミリ前後で目立たないが、雄花は薄緑がかった白い花弁が5枚。雌花の5弁はやや紫色を帯び下向きに咲く雌雄異株だが、山火事や伐採などによって性転換することもあるらしい。

長楕円形状の濃緑色の葉は3〜8センチ長さで、榊にはないギザギザの鋸歯があるが、関東では榊の代用として売られ、神棚に供えられるとか。

花 期
春 3〜5月 夏 6〜8月 秋 9〜11月 冬 12〜2月

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