ヒオウギ (あやめ科)

緑の色濃くなったゴールデンウィーク開け上水堤。鎌倉橋と小松橋の中間辺りで、久々に見慣れぬ朱赤の花に出会った。ヒメヒオウギズイセンに似ているように思われたが、茎先には6枚の花被片を上向きに付けた花が2〜3輪。花径は2〜3センチで、ヒメヒオウギズイセンとは、花の付き方も違う

帰宅して植物図鑑で調べて見たところ、ヒオウギ(檜扇)だっった。アヤメ科の多年草で、花びらには濃紅色の斑点があり、下方3枚の基部には脳紅色の斑紋も。線形の葉が扇状に広がり、宮廷人が持つ檜扇に似ていることから、命名されたとのこと。姿も名前も姿も雅なヒオウギが上水堤で観察出来たことは嬉しい。白い花弁に紅色の斑点と斑紋が入ったのも。どちらも草丈は40〜50センチ。

午前中に咲き、夕方にはしぼんでしまう一日花で、花の後に結ぶ種子は漆黒で艶がある。その漆黒の種子は射干玉(ぬばたま)と呼ばれ鳥玉、鳥羽玉などと書いて、和歌では闇や夜にかかる枕詞として、しばしば登場。

また和菓子の鳥玉(うばたま」はヒオウギの実を模して考案されたという。

花 期
春 3〜5月 夏 6〜8月 秋 9〜11月 冬 12〜2月

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