ヒメウズ (きんぽうげ科)

三月下旬、貫井橋〜小金井橋左岸の落ち葉の床で、たわんだ細い茎の先が膨らんでいるスリムな植物を目にした。

目を近づけて見ると5ミリ足らずの淡いピンクがかった花ではないか!ベル型の超小型の花をつけた花茎が、その一帯に群れをなしてモビールのようにユラユラ。

顎片も5枚の花弁も長さ4〜5ミリ。中心部にある雄しべを取り囲み俯いて咲いている。草丈は約30センチ。

花も茎も下床の色と溶け込んで目立たないが、根元にある先の切れ込んだハートが3枚合わさった葉は青々と茂り、オダマキやトリカブトの葉に似ていた。

図鑑によると姫鳥頭と書いてヒメウズ。鳥頭とは鳥帽と同義語で小さなトリカブトを意味する名前で、オダマキやトリカブトと同じ属である。

関東以西の路傍や畦、林縁に生育する多年草だそうだが、近隣ではあまり見られないのに、この堤一帯には大小の群落があり、上水堤の奥深さを物語っている。下草が伸びる頃には消えてしまう。

花 期
春 3〜5月 夏 6〜8月 秋 9〜11月 冬 12〜2月
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