晩夏から初秋にかけて上水の下草の端っこで、筒状の小花を無数につけた人の肩丈ぐらいある植物に出会うようになった。
線路際や空き地でよく見かけるオオアレチノギクではないかと思ったが、そのうちの何本かは筒状の頭花をよく見ると、目立たないながらも白い舌状花を覗かせている。頭花は5ミリ前後でヒメムカシヨモギらしい。
タンポポや菊のような花びらの形状を植物学上では舌状花と称されている。ヒメムカシヨモギは北アメリカ原産の帰化植物で、日本には明治時代に渡来した。その後急速に各地に広まったようで、御維新草、明治草、世代わり草、鉄道草などの様々な名前で呼ばれてきた。
南アメリカ原産で昭和初期に渡来したオオアレチノギクによく似ているが、舌状花をつけることと、茎が太めで繊毛が目立たなく草丈は2メートル前後に達するものも。
しかし、双方とも花が咲き終わるとそう果に冠毛をつけ種子を飛散させるので、放置された土地に群生する。市街地の舗装道路の割れ目などで見かけるのはオオアレチノギクが多いようだ。
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