ヒイラギ (もくせい科) | |||||||||||||||||||||||||||||||||
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柊の 葉の間より 花こぼれ 高浜虚子 |
紅葉や色づいた草木の実に目を奪われている間に、ヒイラギがひっそりと小さな白い花を咲かせているのを見落とすところだった。11月半ば過ぎから開花する花の径は5〜6ミリ、花冠は4つに裂けて反り返えり数個づつ葉腋につけている。 モクセイ科の常緑小高木で雌雄異株だそうで、上水堤とその周辺で目にしたのは雄株のようだ。黄色の葯をつけた雄しべが2本花冠から突き出していたから。雌株には直径1.5cmほどの実がつき5〜6月に暗紫色に熟する。 福島県以南の本州から四国・九州・沖縄の山地に分布しているが、革質で光沢のある卵形の葉の周りに鋸歯が変形した刺があり、その刺が邪悪を追い払ったり、侵入を防ぐことから小平周辺の旧家の生垣に植えられていることも多かった。 また、鬼が目を突かれて退散したという伝説から、2月の節分にはイワシの頭を柊の枝葉に刺して戸口に立て、魔除けにされてきた。別名は「鬼の目突」とも。 ヒイラギの和名は柊または疼木と書き、葉は固くて触るとひりひり痛むことから疼く木=疼木となり、次第に柊になったとされている。クリスマス飾りに使われるのはモチノキ科のセイヨウヒイラギで、赤い実をつけ葉の刺の形も違う。 |
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