ヒゴスミレ (すみれ科)

ケマルバスミレではないかと鷹の橋付近で撮影した画像を再チェックしている時、細かく切れ込んだ葉が気にかかった。

よく見かけるスミレ仲間の葉はハート型あるいはハートを長細く引き伸ばした形をしているのに対して、そのスミレの葉は鳥の足状に裂片が細分化していた。

図鑑によると地下茎を出さない複葉性のエイザンスミレに似ていたが、念のためインターネットで検索したところ、小葉が5裂になっているヒゴスミレだと確かめられた。桜が満開の頃に出会って以来、判明するまでの道のりは長かった。

元々は肥後の山野で発見されたようだが、関東以西の日当たりのいい山野に自生し、草丈は7〜10センチ。白い5枚の花びらの下唇弁に紫色の脈があり、ケマルバスミレの花よりほっそりと愛らしい。

濃緑色の葉の基部が3小葉に別れ、各小葉はさらに5裂しているのが特徴で芳香があるそうだ。類似種のエイザンスミレ(叡山菫)は小葉が3裂し花期も早いとか。スミレ仲間は盛んに種分化進行中で、変化が激しく、日本各地で学名のついているものだけで250種も。

花 期
春 3〜5月 夏 6〜8月 秋 9〜11月 冬 12〜2月

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