ハラン (ゆり科) | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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水仙や葉蘭の陰に日の寒き 坂本四方太 |
年中青々した幅広い葉を密生させているハランは、かつては料理の飾りや仕切りに常用されたので、植えている家庭が多かった。 今春は2月頃から上水堤でハランを見つけると、根元に降り積もった落ち葉を掻き分けて、指先が痛くなるほど探し回った。 春彼岸の前後になって、地面に半ば埋まりながら蝸牛のような花芽をつけているのを見つけた。数日後に訪ねてやっと開花しているハランの花に出会った。花径は2センチくらい。 花芽の先が8ツに裂けて暗紫色の雄蕊を覗かせていた。綺麗とは言いがたいが多肉質のユニークな花だ。 ハランは中国原産で、江戸初期に渡来したとされる(花壇地錦抄:1659年)。和名は葉蘭だがユリ科の常緑宿根草。葉が馬の耳に似ていることから馬耳蘭になり、馬蘭に転じて料理業界ではバランとも。花の後に液果ができるそうで、楽しみにしている。 蝸牛やナメクジによって受粉される説は近年、研究者によりダンゴムシと改められたが、まだミステリアスな要素を秘めている。 |
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