ハンゲショウ (どくだみ科)

草木の緑でうっそうとしてきた上水の土手で、白い粉を吹き付けたような葉を目にすると、もう一年の半分が過ぎたんだなあと、植物に備わっているセンサーの働きに感じ入る。

多少のずれはあっても、陰暦の上で半夏生といわれる夏至から数えて11日目(7月2日頃)を迎えると、このどくだみ科の多年草ハンゲショウは茎の頭頂部にある葉の数枚を部分的に白く変色させる。

まるでおしろい粉を刷いたように白く染めることから半夏生、あるいは半化粧と称され、涼しげでなまめかしい姿に魅せられる。

葉の表皮の下にある柵状組織の葉緑素が抜けるために、白くなるそうである。白い葉に守られるように花穂が立ち上がっている。

地味で目立たない花であるため、虫にも無視されるので、白い葉が受粉に必要な虫を呼び寄せるサポート役をしている。

つまり、虫寄せのためのお化粧なのだ。その知恵と葉と花の連帯感に見とれてしまう。マタタビも同様の白化粧をする。


花 期
春 3〜5月 夏 6〜8月 秋 9〜11月 冬 12〜2月

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