ハエドクソウ (はえどくそう科)

晩夏の木立の下で、草丈50センチ前後のごく細い茎に小さな小さなピンクがかった花をひっそり咲かせているこのハエドクソウ。

あまり目立たないが、外見に似合わず全草有毒で殺虫効果があるため、その根や葉の煮汁を紙に染み込ませて蝿取り紙に使われたという。

虫にも好かれない野草だが、目を近づけて見るとピンクがかった花は唇形で、まばらな穂状になって茎に横向きについている。

淡紅色や白い花もあり、蕾の頃は上向きに、開花時は横を向き、果期には下を向いて熟する。

このようにあまり例のない習性を観察するのも楽しい。双生している葉は長楕円形で縁は鋸刃のようにギザギザがある。

果実の先はイノコズチなどと同じく鉤状になっており、衣服や動物の毛について繁殖する。

1科1属1種であり、仲間の居ない種である。

花 期
春 3〜5月 夏 6〜8月 秋 9〜11月 冬 12〜2月

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