ガクウツギ (ゆきのした科)

粒状の花房の周りに紋白蝶が止まっているような花が、久右衛門橋近くで咲いていた。中心部の花はアップして見るとヤツデの花を極小にしたような形態をしている。ガクアジサイに似ているが、アジサイ仲間が咲くには間のある5月初めのことだった。

図鑑で調べ、ネットで検索したところ関東地方以西の山地に生える落葉低木のガクウツギ(額空木)のようだ。対生している葉は長楕円形で先は尾状に尖り、やや光沢がある。

ウツギと名がつき、茎葉の赴きも似ているが、ウツギとは類縁関係がない。故牧野富太郎博士によるとガクの名の由来はガクアジサイの省略で、分類学的にはアジサイの仲間だそうだ。同属種にヤマアジサイ、コアジサイがある。

花房の中心部に集まっている10〜20個ほどの球体が本来の花で、雌雄両性花だ。周囲に数個ついている純白の花は装飾花と呼ばれ、その3〜4枚の白い花弁に見えるのは実は萼で、地味な花の引き立て役をしている。

5〜6月にもの静かに咲いているガクウツギだが、なかなかの役者である。

花 期
春 3〜5月 夏 6〜8月 秋 9〜11月 冬 12〜2月

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