フデリンドウ (りんどう科)



岩山の岩より咲きめフデリンドウ 中島いはほ
まだ下草が萌え出さない春先の上水土手で、木漏れ日を受けながらこの小さな花が口を一杯に広げて咲いている姿は、生まれたばかりの小鳥の雛が餌をねだっている様に似ている。

花冠の先が嘴そっくりで止めどなく愛らしく、いつまでも消えないで咲き続けてほしいと願わずにはいられない。

昭和30年代まで鷹の台駅東側に広がっていた蚕糸科学研究所跡地(現在の小平市中央公園)の開発は、このフデリンドウをはじめヒトリシズカ、ヤブレガサ、トリアシショウマなど上水べりに残したい野草を犠牲にした。

一時期、上水堤に残るフデリンドウも10株程度になってしまったが、徐々に株をふやしつつあるようだ。

上水堤のフデリンドウの草丈は5〜10センチ、花の大きさは3〜4センチ前後で落ち葉の絨毯に埋もれるように開花。

コバルトブルーの花は日が照らないと開かないが、花を閉じた姿が筆先に似ていることから、その名前がつけられたという。清楚で可愛いい花は上水の貴重な宝石だと思っている。
花 期
春 3〜5月 夏 6〜8月 秋 9〜11月 冬 12〜2月
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