エビネ (らん科)

崩壊の続いている玉川上水の土手。その土手で エビネが棲みついて根を張っている土壌は、後何年崩れ落ちないで止っているだろう。

上水土手で確認できるエビネは5カ所。7〜8株程度と予想されるが、その僅かな株が残っている場所は全て滑り落ちる寸前となった土手の一角である。

エビネブームと言われた時期があった。上水堤のエビネがそのブームをくぐり抜け得たのは、落ちる寸前のような土手の先端に育っていたからかも知れない。

花をつける花茎は、不安定な生存場所にあるためかあまり伸びない。花茎に総状花序に咲く花も1本に5〜8個と侘しい。

しかし、稀少価値となったこの花が、紫褐色の外花被や内花被、そして紫色をおびた白色の唇弁と色鮮やかに咲く姿に、あふれる気品と素朴さを感じさせ、野草本来の持ち味を充分楽しませてくれる。

地下茎がエビ状となっているところから、エビネ(海老根)の名があるとされる。この花が、玉川上水の上手から絶滅しないよう祈らずにはいられない。

花 期
春 3〜5月 夏 6〜8月 秋 9〜11月 冬 12〜2月
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